Research

岩盤・石油生産工学研究室の研究概要を説明します。

Rock Mechanics Well Completion & Stimulation Reservoir Geomechanics Numerical Simulation

Research Overview
研究概要

岩盤・石油生産工学研究室では、ジオメカニクス(岩盤力学)の知見を活用し、油ガス田の生産性向上に関する研究や貯留層流体の漏洩や誘発地震といった環境対策に関する研究、石油天然ガスの開発技術をメタンハイドレートや地熱資源の開発、二酸化炭素地下貯留へ応用する研究などを行っています。研究の柱となるのは、

  • 岩石力学
  • 坑井仕上げ・坑井刺激法
  • 貯留層ジオメカニクス
  • 数値シミュレーション
  • の4分野です。以下に、それぞれの研究分野を解説します。

    Rock Mechanics
    岩石力学

    石油、天然ガス、地熱といった地圏エネルギー資源を経済的かつ安全で環境影響を最小限に保ち開発するためには、地層を構成する岩石の力学的性質を正確に把握することが重要となります。本研究室では、岩石の三軸圧縮試験機を用いて、様々な種類の岩石の応力ひずみ曲線の測定・解析を行っています。また、エコーチップ硬さ試験機などの簡易の非破壊試験装置を用いた、岩石強度の推定手法の開発も行っています。応力ひずみデータ解析では、非線形性の強い堆積岩の力学パラメータの推定に、機械学習を適用した研究なども行っております。


    Well Completion & Stimulation
    坑井仕上げ・坑井刺激法

    油ガス田の開発では、多種多様な貯留層の性状に合わせて、傾斜井や水平坑井、マルチラテラル坑井を掘削したり、岩石強度が十分でなく出砂が懸念される場合は、出砂対策スクリーンを設置するなど、様々な仕上げ方法を採用します。油ガスの生産量は、坑井の仕上げ手法により大きな影響を受けるため、坑井の生産性最適化において、どのような仕上げ手法を選択するかはとても重要となります。また、掘削時に泥水の影響で油層障害が発生した場合や、貯留層の浸透率が極端に低い場合は、酸処理や水圧破砕などの坑井刺激を行うことで、坑井の生産性を増進させます。本研究室では、炭酸塩岩貯留層の酸処理法の研究や、シェール開発における水圧破砕技術に関する研究、坑井刺激で使用される圧入流体の分散剤(ダイバーティングエージェント)の開発などに関する研究を行っています。


    Reservoir Geomechanics
    貯留層ジオメカニクス

    地下エネルギー資源の開発では、油、ガス、水といった貯留層流体の生産に伴い、孔隙圧が低下します。一方で、水圧破砕を伴う地熱増産システムや二酸化炭素の地下貯留などでは、流体の圧入により、貯留層内の孔隙圧が上昇します。これらの圧力変化は貯留層や周辺岩盤の応力変化を引き起こし、これにより、坑井破壊や出砂問題、地盤沈下、貯留層の上位を覆う帽岩の破壊による孔隙流体の漏洩、断層の不安定化による微小振動の発生など様々な問題を生じる可能性があります。
    本研究室では、岩石実験、数値シミュレーション、実フィールドデータを用いた、坑井安定性解析、出砂量予測解析、水圧破砕き裂伸展解析、貯留層圧密解析、注水誘発地震のリスク評価などを行っています。


    Numerical Simulation
    数値シミュレーション

    地下エネルギー資源の開発では、地質構造や貯留層性状を調査し、開発計画を立案します。しかし、地下数キロメートル深の地層情報を正確に把握することは、現在の探査技術では限界があります。また地下の情報の取得には莫大な費用がかかるため、十分な情報を得ることができないことが一般的です。このように不確定性が高く、限られた情報をもとに、開発計画を最適化するためには、地下の構造変形・破壊や孔隙流体の流動挙動といった複雑な物理現象をコンピュータで試行実験する数値シミュレーション技術が非常に重要な役割を持ちます。
    本研究室では、有限要素法、境界要素法、有限差分法、個別要素法といった様々な数値解析手法を用いて、貯留層ジオメカニクス問題の解決や坑井の生産性評価のために、様々な数値シミュレーションモデルを開発しています。